十五代亀井味楽さんが父子展 高取焼開窯三百年記念

十五代亀井味楽さん(本会会員)が四月五日、高取焼の開窯三百年を記念して父子展を開いている。福岡市・天神の福岡天神店6階。亀井さんの長男・久彰さん(26歳)にとっては初めての作品展となった。

会場入り口に大きな壺がある。名前は付されていないが久彰さんの作品である=写真。明るい雰囲気を醸す作品だが、その根底には「自分は土に賭けるのだ」といった頑固な決意のようなものがみなぎる。縄文土器を思わせるような武骨な幾何学模様。飛び鉋の技法を凝らした意匠のすべてに若さがあふれる。久彰さんはこう言う。

父(十五代味楽)は、継ぎたくなければ継がなくてもいいと言っていました。だから普通の大学に行ったのです。まわりが就活なんかしているときに自分はどうしようかとぼんやり考えていました。大学4年の時に祖父が亡くなりましたが、その枕元に父がいて、二人の会話を僕は聞いたのです。祖父は、

「お前が息子で良かった。自分の後を継いでくれることがうれしい」と、そのようなことを言っていました。二人は口も利かないし仲が悪いのだと僕は思っていたのです。伝統とは何か、自分にロクロが引けるのか。いろいろな迷いが、その時消えました。この道に入って5年目。これからの陶工である。

十五代味楽氏はこういう。「自分の前に14人いるんです。その14人がみなライバルでどうやって超えていくか。悩み続ける人生です」

それが伝統というものかも知れない。父子展は11日まで。(井)